春が来るまであと少し……。 そんなオランの街はいつもと変わらず、と思いきや。 会話1:井戸端会議中の奥さん 「最近うちの息子ったら……何だか様子がおかしいのよね、昔は素直で良い子だったのに最近ものすごく聞き分けが悪くて……」 「あらっ、それって反抗期じゃありませんこと? 年頃の男の子ですもの、仕方ないわぁー?」 「いえ、でもね奥さん……うちのお隣さんの息子さんも最近すごく様子が変わったとか言ってるのよ?」 「まあ、それも反抗期……」 「それがね、逆なの。今まで反抗してばかりでいわゆるキレやすい子だったのに、急に良い子になっちゃったらしくって……」 「なら良いじゃないの〜」 「大変ねぇ……うちは女の子だから、でも最近妙に浮き足立っている感じはするわ、何か良い事でもあったのかしら」 会話2:道端の若者 「あれ、ケントは今日来ないのか……何だよ、最近あいつ付き合い悪いよな」 「それが、身体の調子悪いらしいよ。ダルいから家で寝てるってさ」 「本当か? 女でも出来たんじゃねーの?」 「いや……そりゃわからねーけど。でもこのところ本当に顔色悪いし、頭痛も酷いんだってさ」 「ふーん、そういえばマットの奴も体調が良くなさそう……いや、体調というか、たまに一人でブツブツ言っているし、別の意味でヤバイかもしんねー……」 「うわ、マジかよ」 「おいおい、あの劇団人気なんだぜ、早く行かないといい席取られちまうって!」 これらの情報は、主婦やオバさん達と話す機会がある人、年若い男子の知り合いが居る人は小耳に挟んでいても構いません。 |
| そしていつもと変わらずの蛙屋にも、一人の衛視がやってきた事で普段と違う日常へと変わることに。 いや冒険者としての日常に戻ったたのかもしれません。 アラックと名乗ったその衛視は、何だかとても疲れ顔。 その日、宿に屯ってみた皆への話は…… 「最近、街の住宅街辺りの地域で、少年達がおかしな事になっていてね…… 突然暴れだして家庭内暴力を起こしたり、優等生だった子がいきなり夜遊びをし始めたり…… 活発で元気だった子が引き籠もりになったり…… いやとくに大きな事件が起きた訳では無かったので此方もとくに動かず様子見だったんだが…… その、何というか……少年達の母親が結構煩く衛視詰め所にやってくるもんで、こりゃあ困ったと。 此方も他の事件やらで忙しくてね、正直大きくは動けないんだ。 なので、街の色々な情報にも詳しそうな冒険者の君達に、少し調査をして欲しい。 ……それにしてもオバさん連中というのは、人数が集まるとものすごいパワーになるもんだな、全く……。 いや、すまない。 そうそう、ただね……その中でも一人の少年が、今までちょっと様子が変だっただけだったのだが、数日前いきなり倒れて昏睡状態に陥ってしまったらしい。 まあその事もふまえて、何か水面下で起きているのか、ただの偶然の集まりなのかを調査して欲しい。 オバさん連中に話を聞きたいのだったら、毎日1、2人は衛視詰め所にやってきているから存分に話を聞いてやってくれ。……まあ覚悟してな」 アラック(男・28) 疲れた顔をした衛視。身元は確認済み。 去年の暮れに結婚したばかりだが、妻も将来あんな五月蠅いオバサンになるのかと不安になっているとか何とか。 |