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王国暦523年11月某日。


「真っ直ぐ進んでいけ」
与えられた命令に従い、鋼鉄の肌を持つ巨大な人形はザブザブと海の中へと身を沈めていく。
その後ろ姿を見送るのは、アリア、ナリス、パール、ガルフォード、ルーフ、マリノア。
御存知、蛙亭の冒険者達である。


最初はただの竪琴盗難事件、の筈だった。
しかし、盗まれた竪琴が古代王国期に作られ、今まで洞窟の奥で隠匿されてきていた
アイアンゴーレムの操縦に関わる重要な物品だと判明して。
冒険者達は、今後ゴーレムが悪用されたりしないように、取り戻した竪琴で指示を与え
オランの南の海へとゴーレムを放ったのである。
南に向かって歩を進めるゴーレムは、いつか朽ちてその歩みを止めてしまうだろう。
あるいはそのまま世界の果てに辿り着き、いずれにせよ、姿を消すだろう。

それが、冒険者達が導き出した結論。
そしてひとまず物語は幕を下ろしたかに見えた。



けれど。



王国暦524年6月某日。


レシュが蛙亭中にばらまいたデイリーオランの号外の嵐の中。
今日も一人の依頼人が冒険者の力を借りに、やってくる。

これから始まるのは一体いかなる物語か。
さてはて、しばしのお付き合いを。

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