怪異譚『沈黙の朝』より

・ある隊商に同行していた吟遊詩人の手記とされる怪異譚。

・森で野営したある夜、季節外れの蛍を見たことから始まる怪異によって次々に隊商の商人や護衛が死んでいく、という筋立て。

・ある者は蛍に取り巻かれて動かなくなり、ある者は凶暴化した獣に襲われ、ある者は逃げ道を探して隊商を離れたまま戻らず、語り手の吟遊詩人ほか数名を残して隊商は全滅する。

・怪異の原因に立ち向かおうとした戦士と精霊使いが隊商を離れる描写が中盤にある。「どこへ行くのか」と問う人に「歪みの中心へ、これを正しに」と答える形で描かれた。

・戦士は翌朝、怪異が終息したのちに吟遊詩人と再会。精霊使いについては触れられていない。戦士の髪は一夜にして白くなっていた、という描写がある。

・もともと題名はなく、物語の終局の一句から取られた題名で呼び習わされている。


朝がきた、だが沈黙の朝だった。
 夜明けとともに聞こえてくる鳥のさえずりも、獣たちの声もない。
 ただ沈黙だけが、森の中にも草原の上にも横たわっていた。

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